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シエラレオネ国カンビア県農業強化支援プロジェクト










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  トピックス活動進捗、現地便りなどをまとめた定期的なニュースレターです。
   
2007年12月20日(木)
乾季の入り

  今年の乾季の入りは遅かった。というより、乾季と雨季がすんなり入れ替わらなかった。11月に入って雨が上がり、乾季の到来を告げるハマターンが一旦は吹いたのだが、蒸し暑さが残り、下旬から12月初旬にかけては、かなり激しいスコールがあった。それは現場のカンビアのみならず、100km以上離れたフリータウンでも起きたので、広範囲での出来事である。フリータウンに住むある長老の話では、ハマターン が吹いた後にこんなに雨がふるのは、生まれて初めてとのことであったという。JICA事務所の秘書は「地球温暖化のせい」と笑った。昨年の乾季の入りは11月4日(年内最後の雨が11月3日に降った)であった。昨年も逆の意味で異常だったのかも知れないが、今年の乾季の入りはかなり遅いといえるのかも知れない。

 12月4日にフリータウンへの一泊出張からカンビアへ戻った。前日の3日は、フリータウンへ行く途中、ルンギ空港へ帰国する専門家を送ったが、カンビア−ルンギ空港間の約120kmは未舗装で、路面の状態が特に悪く、至る所に大小の穴ができている。大きな穴には水がたまっていて、また路面も常に湿っていたので、数時間〜1日以内にかなりの雨が広範囲に降ったことは、明らかだった。4日朝も、フリータウンはかなり強いスコールがあったが、午後には晴れて、マンゲ橋を渡り、カンビア県に入ると、水たまりは残っているものの、路面は乾きはじめており、車が砂埃をあげるほどになっていた。

  乾季の入りは12月5日に突然やってきた。朝から良く晴れていたが、昨日までとは明らかに違う。風はさわやかで時折強く吹き、空にはうろこ雲ができていた。肌に粘りつくような湿気は全く感じられず、歩いてもすぐには汗が出ない。木陰に入るとひんやりとする。これまでだったら座っているだけで汗をかいていた事務所の中でも、暑さは感じられず、汗もでない。そういえば、もう15年近く前になるが、調査で行ったタイ東北部で乾季の入りを経験したときも、今回と同じだったことを思い出した。

  これからしばらくは、朝方の冷え込みとシャワーの水の冷たさがちょっとつらいけれど、日中は快適に過ごせそうである。マンゴやカシューナッツの花(写真)も咲き始めた。

カシューナッツの花
2007年10月9日(木)
半端じゃないシエラレオネの雨季

熱帯に属するシエラレオネの季節は、雨季と乾季に明瞭に分かれます。人々の生活パターンは、季節に大きく影響されています。

今回は雨季の様子を紹介しましょう。雨季は5月ごろから始まり、10月一杯の約半年続きますが、この間に日本(本州)で1年間に降る雨の2倍、約3,000mmの雨が降ります。この間、雨の降り方は5月、6月のスコール型、7、8月の梅雨型、そして9、10月には再びスコール型に変化します。

5、6月は、晴れると太陽が真上から照りつけて、非常に暑くなります。このため、上昇気流が発達して大気の状態が不安定となり、突風(スコール)と共に横殴りの強い雨が降ることがあります。突風は時に、民家を壊し、死者を出す被害をもたらすこともあるくらいです。

7、8月は、基本的に曇天か雨で、太陽が顔を出す時間が非常に稀となります。雨は時に数日降り続くことがあり、この2ヶ月で、日本で1年間に降雨量より多い、2,000mm近い雨が降ります。太陽が出ないために、熱帯にもかかわらず、気温はびっくりするぐらい上がらず、最高気温は27度、最低気温は23度程度と、ほぼ一定です。シャワーを浴びるのに覚悟がいるくらい、水が冷たく感じられます。蚊が減るのもこの時期です。蚊の幼虫であるボウフラが雨で流されるため、蚊が発生しなくなるのです。気温が低く、雨に当たる機会も増えるため、風邪をひく人が多くなるそうです。河川が増水して川の流れが急になるので、子供たちはしばらくの間、川遊びができなくなります。また、地下水への涵養が多くなるので、井戸の水も豊富になり、この時期、川へ水汲みに来る人はほとんどありません。

また、雨が降り続けるため、湿度が大変高い状態が続きますが、これにより、日本では普段考えもしないことが起きます。蚊取り線香は湿気たクッキーのようにぐにゃりと割れ、火をつける(なかなかつかない)とゆっくり燃えるので、持ちがいいです。ほこりが立たず、のどや皮膚が乾燥するということはありません。これらはどちらかといえば、ありがたい面ですが、困ったこともたくさんあります。洗濯物の乾きが悪く、家の中に干しても乾くのに3日程度かかります。それでも完全に乾くわけではなく、取り込んだ衣服をたたんで重ねて置いておけるのは二日が限度。それ以上置いておくと、衣服がカビ臭くなるのです。この地での雨季における生活のコツは、衣服は3枚を回して着ることです。衣装持ちはその維持が大変になります。

湿度が高くて困ることは、生活面だけではなく、仕事にも及びます。コピー機が良く詰まります。コピー用紙が空気中の水分を吸収し、紙同志がくっつきやすくなり、紙詰まりを起こすのです。また、コピーをして出てきた紙がくるくると丸まります。トナーを固定するためにかける熱がコピー用紙の片面の水分を奪うため、熱をかけられた面が収縮し、丸まるようです。この丸まった紙を伸ばすのに一苦労で、この時期の報告書等の印刷には泣かされます。

9、10月の雨季は、再びスコール型となります。この時期は、晴れ間も出て暑くなりますが、太陽の位置がずれるので、5、6月に比べればまだ楽です。ただし、雨が降る頻度が多く、降雨強度も強いので、土壌浸食が起きやすくなります。現場が位置するカンビア県は未舗装道路がほとんどなので、雨により地盤がゆるみ、道路に穴ができやすくなり、車両による通行を難しくします。

なかなか大変な、シエラレオネの雨季です。

2007年9月20日(木)
鳴き砂

シエラレオネの首都 Freetownは大西洋に面したフリータウン半島の先端、シエラレオネ川の河口に位置している。そのフリータウン岬からゴルフ場に至るCockerill Bayの砂州は極小さな石英粒からなる真っ白な砂浜である (写真 -1)。この砂がいわゆる鳴き砂 (Singing Sand) で、この乾いた砂の上を歩くとキュッ、キュッと乾いた音がする。この音は、波で洗われ、互いに擦れあって表面が磨かれた、粒の揃った小さな石英の砂粒同士が擦れ合って奏でている音なのです。それで、土木工事や農業排水の流入や無処理生活排水の流入などで粒の表面が汚れてくると、砂粒は音を奏でなくなるとのこと。

現在、この美しい砂浜には小さな海水浴場 (写真 -2)と道を挟んで数軒のレストラン (写真-3) があるだけです。今後、シエラレオネが発展してこの砂浜がリゾートになるとしても、この鳴き砂を残すような開発が行われることを願わざるを得ません。

この鳴き砂は、日本では京都府の日本海に面した京丹後市の琴引浜の鳴き砂が有名だそうです。詳しくは、次のホームページを訪れて下さい。

   Musical sand鳴き砂
   鳴り砂

Singing sand
Swimming beach
Restaurant beside the beach
2007年9月19日(水)
パーボイルドライス

 本プロジェクトを実施しているシエラレオネの主食であるコメの大半はパーボイルドライス(Parboiled Rice)として加工されてから食されています。農村の道路を車で走っていると、道ばたのシートの上で籾が乾されているのをよく見かけます。この籾が、パーボイルドライスです(写真1)。
 このパーボイルドライスは、古来よりインド、スリランカを中心に、その以西の国々で好まれ、生産されてきた伝統的加工米の一種で、今日では中東、アフリカ、ヨーロッパ、南北アメリカの一部でも生産されているコメです。その生産高は、世界の籾生産量約5億トンの20%にも達しているとの報告もあります(日本穀物検定協会)。 

 パーボイルドライスは、必要な量の籾を水に浸けて一晩吸水させて (写真2)、翌朝にこれを蒸気で蒸して米でんぷんを糊化し (写真 3)、シートの上で乾燥したものです(写真 3)。乾燥後、普通の籾と同様に精米機あるいは臼と杵で精米されて通常の白米になります。

日本穀物検定協会の資料によれば、でんぷんの糊化は、米粒の硬化を促進し、乾燥中の胴割れや精米中の砕米発生を抑制する効果があります。また、胚芽や糠層に多く含まれるビタミンやミネラルが白米部分に移行して、栄養価も高まる等の利点があることが確認されています。 

パーボイルドライスには下記のような大きな特徴(長所)があります。
1.籾殻が剥れやすくなり、籾摺り作業が容易になる 
2.精白米中の砕粒が少なくなる 
3.炊飯後、長く置いても、粘っこくなったり、酸っぱくなったりしにくい 

パーボイルドライスの品質は
1.砕粒発生が減少し、精米歩留りが上がる。特に整粒が増加する 
2.精白粒は半透明になり表面に艶が出る 
3.米粒が硬化するので、昆虫の食害を受けにくくなり吸湿性も小さくなって貯蔵性が上がる 
4.原料の品種にもよるが、炊飯中多量の水分を吸って大きく釜殖えする 
5.パーボイリング中にビタミンやミネラル類が胚乳部に移行することにより、栄養価が大きくなるなどがあげられます。 

日本型の短粒種は、精米中に砕けることは少なく、籾摺りやとう精の段階での損失はほぼ一定しています。一方、長粒種では、砕米発生の原因の半分は、籾摺りやとう精の過程にあるとされています。 
これらのことから、パーボイルドライスは、砕米を少なくして整粒収量を高めるために工夫されたもので、かつ主食とする米から十分な栄養を得ようとする食糧事情が、その普及に繋がったそうです。

Drying parboiled rice
Absorbing water to rice
Parboiling rice
Dried parboiled rice

2007年9月18日(火)
汐留の堰 (カンビア市内)

本プロジェクトが実施されているカンビア県を流れるGreat Scarcies川は、ギニア国内に源を持ち、上流ではシエラレオネとギニアの国境を為し、大西洋に注ぐ延長358 kmの河川です。カンビア市はその河口から約60 km上流に位置するが、河川の水位は干満の影響を受けています。
 この干満の影響は、カンビア市内とギニア国境を結ぶ道路が渡るGreat Scarcies川の橋から約2 km 上流の地点を横切る岩脈までとなっています (写真上)。すなわち、この岩脈が自然の汐留の堰となっています。

日本の各河川には汐留の堰を設けられ、海水が上流部へ進入するのを防いでいます。しかし、その様な汐留の堰を持たないGreat Scarcies川では、この岩脈の汐留の堰までは潮水が上がってきており、特に水量が減る乾期には河川を流れる真水の量が減って塩分濃度が高まることとなります。そのため、カンビア市内のこの自然の汐留の堰より下流域のGreat Scarcies川両岸の湿地帯は潮水の影響を受けており、パイロットプロジェクトが実施されているMacoth、Rosinor、Robatの農業生態系はマングローブ低湿地に分類されています。

同時に、この岩脈の上は絶好の洗濯場ともなっていて、何時も賑わっています (写真下)。

Natural river dam
Laundry in dike

 
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